新人ナース時代に教えてもらった大切なこと。
看護師になって、なんやかんやで16年。
少し長くなるけど良かったら読んでください。
専門学校を出て、急性期病院の成人・小児血液内科に就職しました。白血病など血液のがんの方が子供から大人まで入院されている病棟で、看護師は成人チームと小児チームに分かれていました。
1年目の時は、毎日がいっぱいいっぱいで、こんなん何年もやっていけるんかって思って。同じ病棟にいた8年目の先輩が、僧侶のように見えましたね。日々、分単位のスケジュール、初めての夜勤、患者さんの急変、患者さんの死・・・1年目は乗り越えなくてはならないことがたくさんあって、余裕は全くなかった。
でもそんな1年目で、先輩に、気づかせてもらった大切な1つのこと、それが今の自分の看護師としての柱の1つになったんです。
それはひとり立ちした1回目の夜勤でのこと、私のチーム(成人)の患者さんが急変したんです。(ちなみに夜勤は成人・小児チーム 各一人ずつの看護師2人で30人くらいの患者さんを看ていました。)
夜中の4時くらいだったか、病室を見回っていたら、患者さんが嘔吐していて、呼びかけても反応がありませんでした。私はとりあえず一緒に夜勤をしていた小児チームの先輩にPHSで電話をして、頭は真っ白、ボーっと立ち尽くして、いつのまにか当直の先生が来て、気付いたら先輩の介助で挿管をしていて、、、。 いつのまにか、とか、気付いたら、とか、そんなん看護師失格だと思われるでしょうけど、初めてだったんです、患者さんの死。
頭の中が動揺したまま、朝になり、他の患者さんの検温・採血などを何とか終えて、日勤帯のメンバーに申し送りをしました。
そして日勤を回り始めたある先輩が、朝の環境整備を終えて戻ってくるなり、
「のりたま(←私)さん~!!!雑すぎ!!!」って。
「顔拭きタオルもガーグルベースン(うがい受け)もところどころ残ってるし、サイドテーブルの上も、位置も煩雑になってるし!いくら忙しくてもそんな雑なことしてちゃだめだよ!」って。
なんだか、人として否定されたような、『雑な人間』って認定されたように感じて、すっごくショックを受けたんです。それからしばらく悶々として、なんだよ、鬼かよ、初めての急変でいっぱいいっぱいだったのに、先輩イヤって。
でも思い直して。それからはどんなに忙しくても患者さんの病床を出るときにサッと環境を見回すようになって、そしたらいつの間にか、一つ一つの仕事を丁寧にできるようになったんです。それから16年。今はそのベースのおかげで、同僚にも患者さんにも信頼してもらいやすくなりました。
すっごく大切なことを教えてもらった先輩、感謝しかありません。
ご清聴ありがとうございました。